vol203.自動車産業を考える

2008年9月21日 日経 自動車100年目の試練(上)が掲載された。
自動車産業に関わっているが、
(1)自動車を買い続ける
(2)自動車を持ち続ける
ことを前提にした社会や生活スタイルである。
現在問われているのは、「買い続けない」「持ち続けない」スタイルへの
転換点であることと認識している。
例えば、自転車を「買い続け」「乗り続ける」を前提条件の時代に
私は育ったが、現在は自転車を持っていない。
中高生時代には、バイクを乗ることを前提に免許を取得して
バイトしてお金を貯めた。
今でもバイクに乗りたいと思う時もあるが「買い続け「乗り続け」もしていない。
自動車も、現在所有はしているが「買い続けるか」「乗り続けるか」不明。
ショッピングモールやアウトレット出店が加速しているがオーバーストアー
加えて、自動車を利用しない消費行動へ移るケースが出始めている。
「石油エネルギーを必要としない移動手段」が次の「産業の中の産業」へなるのだろう。
自動車ディーラーの売上総利益を分析すると(2007年度自動車ディーラー経営状況結果)
新車    8.9%
中古   13.9%
車両小計 9.8%
サービス  38.1%
その他  12.2%
収入手数料の売り上げ比率をみると(私はファイナンスと言っている)
割賦手数料・保険手数料・販売諸費収入・車両手数料・その他手数料
合計    5.6%
この売上総利益+手数料(ほぼ粗利と換算)すると
新車の売上総利益で食べている訳ではなく、サービスとファイナンスで
売上構成比 55.9%
サービス・他+ファイナンス/売上総利益合計+ファイナンスは
62.9%に達する。
しかも車両販売の含まれる中古の売り上げ総利益も含めると
72.7%となる。
バブル崩壊後、国内市場低迷から、各ディーラーは
中古+サービス+手数料(著者ファイナンス)に力を入れてきた。
車の保有台数が増える、維持出来ること前提の収益基盤であった。
その「保有台数」が減少へ転じた。
この減少率は、ローカルの特に高齢化率や限界集落などと言われるところは
激しくここ数年で急激な落ち込みを見せると判断できる。
構造的落ち込みに加え、原油高が加わり「加速した」
この加速に、国内の自動車ディーラーがついていけるかどうか?である。
原油が下がり、ガソリン価格が下がったころには、自動車所有の資金や
維持費は、他の生活費に代わってしまい、戻ることが難しいと判断する。
車を維持するために、生活費を削るか?疑問である。
パソコン+インターネットによって、移動しないで情報入手出来る手段が出来た。
パソコンを所有しなくても、携帯ですまされる分野も多くなり
高額パソコンの買い替え需要は大きく減退した。
一方、消費税アップの2015年まで税率10%に向け議論が盛んになり
食品を除くことで決着するのではと判断する。
その食品は、海外食品に対して実質「不買運動」が加速するのではと思う。
特に中国産は壊滅的影響がでるのでは?
自国 中国人が疑って購入しないのである。
日本は、自国の食料は、自国で確保が大原則になる可能もある。
生産現場や加工現場が大きく変わり、流通形態も変化する。
より生産者と消費者が近い存在になるのではと推測する。
物の移動も大きく変化する。量販店がこのままの業態で生き残れないとみる。
自動車の利用の仕方、自動車の無い生活スタイルになるかもしれない。
変化し続けることを前提に経営を考えるべきだと判断する。
しかも、その変化は、これまで経験した10年単位の変化が
1〜2年、数ヶ月でやってくる。
変化を前提に固定費を身軽にしておくことを進める。
柔軟な組織づくり。
応用力ある人材や多能工化(多才化)の推進。
変化をチャンスと前向きに捉える組織・人材づくりが必要!!
(私ごとながら、経営コンサルタントと言う仕事は変化だらけなので
前向きに捉え対処する習慣を身につけられる幸せな仕事であると思う)

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