【介護最新情報】介護職員 の働く環境改善に 向けた政策 パ ッ ケ ー ジに つ い て

介護職員 の働く環境改善に 向けた政策 パ ッ ケ ー ジに つ い て

(1)総合的・横断的な支援の実施

①介護 現場革新のワンストップ窓口の設置

事業者への様々な支援メニューを一括し、適切な支援につなぐワンストップ窓口を各都道府県に設置。

②介護 ロボット・ I C T 機器の導入支援

課題に対応した代表的な導入モデルを紹介するとともに、①のワンストップ窓口と連携して、相談対応、職員向け研修など伴走支援を進める。

(2)事業者の意識改革

③優良事業者・職員の 表彰等を通じた好事例の普及促進

職員の待遇改善・人材育成・生産性の向上などに取り組む事業者・職員を総理大臣が表彰等する仕組みを早期に導入し、優良事例の横展開を図る。

④介護 サービス事業者の経営の見える化

介護サービス事業者の財務状況や処遇改善状況の見える化を進め、経営改善に向けた動機付けを進める。

⑤福祉用具、在宅介護におけるテクノロジーの導入・活用促進

在宅介護の情報共有や記録の円滑化などについて、調査研究を進め、活用を促進する。また、福祉用具貸与等の対象種目の追加について、評価検討を進める。

⑥生産性 向上に向けた処遇改善加算の見直し

未取得事業者の取得促進を図るとともに、加算手続の簡素化や制度の一本化について検討。

⑦職員配置基準の柔軟化の検討

実証事業などでのエビデンス等を踏まえつつ、テクノロジー導入に先進的に取り組む介護施設における職員配置基準(3:1)の柔軟な取扱い等を検討。

⑧介護 行 政 手続の 原則デジタル化中小企業庁の補助金の活用促進。

今年10月から運用開始した電子申請・届出システムの利用原則化に取り組む。


介護職員の働く環境改善について

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001029314.pdf


https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001029317.pdf


介護職員の働く環境改善に向けた政策パッケージ
令和4年12月23日
厚 生 労 働 省
<はじめに>
〇介護職員数は約 211 万人(令和元年度)であり、2040 年度には 280 万人必
要と推計される。また、要介護認定者は 680 万人であり、今後さらに増加する。
介護は、国民 10 人に 1 人が直接かかわる重要分野である一方で、2040 年
にかけて生産年齢人口が急減し、介護人材の確保が高齢者介護政策の大き
な課題となってくる。
〇政府では、今年2月から、補助金や介護報酬といった公的価格の引き上げ
による介護職員等の処遇改善を拡充したが、今後も、持続的に待遇改善が
行われ、サービスの質の維持・向上が図られるようにするためには、介護サ
ービス事業者に、生産性の向上と働きやすい職場環境づくりに積極的に取り
組んで頂くことが不可欠である。
〇介護サービス事業者は、中小事業所も多く、経営改善や生産性向上に向け
た意欲やノウハウには濃淡がある。今こそ、介護サービス事業者の働きやす
い職場環境づくりを全政府的な取組と位置づけ、自治体や事業者も巻き込ん
で推進すべきである。
〇こうした経営改善や生産性向上の取組を通じた成果を、従業員の賃金に適
切に還元して頂くことについて期待する。
<現状と課題解決の方向性>
○現場で働く介護職員の勤務環境を改善(残業の縮減や給与改善など)する
ためには、個々の事業者における経営改善やそれに伴う生産性の向上が必
要であり、ノウハウの展開や改善に向けた具体的な働きかけ等の取組をより
一層進めていくことが重要である。
〇先進的な事業者では、業務改善や課題を踏まえた介護ロボット・ICT 機器の
導入などにより、人員配置が 2.8:1 となるなど、改善が図られている。
〇このため、
(1)総合的・横断的な支援の実施(①介護現場革新のワンストップ窓口の設置
②介護ロボット・ICT 機器の導入支援)
(2)事業者の意識変革(③優良事業者・職員の表彰等を通じた好事例の普及
促進 ④介護サービス事業者の経営の見える化)
(3)テクノロジーの導入促進と業務効率化(⑤福祉用具、在宅介護におけるテ
クノロジーの導入・活用促進 ⑥生産性向上に向けた処遇改善加算の見直
し ⑦職員配置基準の柔軟化の検討 ⑧介護行政手続の原則デジタル化)
などを進め、生産性向上を通じた待遇改善を図る。


<具体策>
(1)総合的・横断的な支援の実施
①介護現場革新のワンストップ窓口の設置
〇中小事業所に経営改善を促し、生産性の高い経営を実現することは、一般
の中小企業の経営指導にも通じる課題である。また、地域経済においては、
介護産業が地域の中核的な産業になりつつある。
〇現状では、所管分野ごとに支援メニューの相談窓口が分かれていることや
支援実施主体がバラバラであることなどから、事業者に対して、必ずしも包
括的なアドバイスや一体的な支援の実施が出来ていない。厚生労働省・経
済産業省が省庁の垣根を超えて介護事業者を支援するため、厚生労働省・
独立行政法人福祉医療機構・中小企業庁・独立行政法人中小企業基盤整
備機構などが協力し、経営改善や、事業者の様々な実情・ニーズを適切な
支援につなげるワンストップ型の総合的な事業者支援窓口を各都道府県に
設置していく。
〇また、IT 導入補助金やものづくり補助金、事業再構築補助金については、
介護事業者の ICT 導入や生産性向上を促進し、経営改善等につながるもの
であることから、中小企業庁・厚生労働省の協力・連携の下、介護事業者が
当該補助金をより一層活用しやすい環境整備を図る。
②介護ロボット・ICT 機器の導入支援
〇介護ロボット・ICT 機器の導入を効果的に進めるためには、どの機器をどの
ように導入すれば良いか分からないとの声も聴かれることから、どのような
課題にはどのような機器を導入すればよいか、全国の介護施設の協力を得
て大規模な実証等を行った上で、代表的な導入モデルを提示する(厚生労
働省として具体的なモデルを整理して示す)。
○また、現場の課題把握や業務改善に向けた相談対応、課題に応じた代表
的な導入モデルや先進事例の紹介、体験・オンライン展示、活用可能な支
援制度の紹介、職員向け研修など、①のワンストップ窓口と連携して導入・
活用に向けた伴走支援(相談対応、代表的な導入モデルや支援制度等の
紹介、職員向け研修など)を進める。
(2)事業者の意識変革
③優良事業者・職員の表彰等を通じた好事例の普及促進
〇現在、職員の待遇改善・人材育成・生産性の向上などに取り組む事業者を
都道府県が認証する取組(令和4年で 30 都府県)を行っているところ、これ
について全都道府県での実施を目指す。
○特に優れた事業者・職員を総理大臣が表彰し、全国に発信するイベントを
行うなどの仕組みを早期に導入し、優良事例の横展開を図る。


④介護サービス事業者の経営の見える化
〇介護サービス事業者は公的な介護保険制度のもとで運営していることを踏
まえ、その費用の見える化を進めることで、事業者が経営改善や待遇改善
に取り組むための環境づくりを進める。
〇現状は、社会福祉法人などは財務状況の公表が義務付けられ、社会福祉
法人については詳細なデータベースが整備されているが、介護サービス事
業者全般についても、財務状況の公表を義務付ける。また、詳細な経営情
報について報告を義務付けるとともにデータベースを整備する方向で、制度
改正も含め、検討を進める
〇さらに、利用者等のサービス選択に広く活用されている介護サービス情報
公表制度について、処遇の見える化などを通じた人材確保にも活用できる
ようにし、介護サービス事業者全般について、平均賃金や処遇改善の反映
状況などの閲覧・比較を可能とする方向で、制度改正も含め、検討を進める。
(3)テクノロジーの導入促進と業務効率化
⑤福祉用具、在宅介護におけるテクノロジーの導入・活用促進
〇介護施設において、センサー・ウェアラブルなど先端機器を活用すれば、
サービスの質の確保とともに、一人の介護職員がより多くの者に介護サー
ビスを提供できるようになり得る。
〇在宅介護における介護職員の負担軽減等に資する ICT 等テクノロジーの
活用については、情報共有や記録等の円滑化の視点や、サービスの質の
確保や導入時の課題などの論点も含め、調査研究を進める。
〇介護施設や在宅介護におけるこれらの機器の導入・活用について、介護
報酬などでの評価のあり方について検討する。
〇福祉用具貸与等の給付種目の追加については、令和4年4月に「排泄予
測支援機器」が追加されたように、今後も最新の技術が的確に反映されるよ
う、在宅において要支援・要介護者の自立の促進と介助者の負担軽減に資
するものであるかどうかという観点から、引き続き評価検討を進める。
⑥生産性向上に向けた処遇改善加算の見直し
〇現在、処遇改善に関する加算が3本立てとなっており、事務負担が大きい
との声が多い。これらの事務手続や添付書類の簡素化を進めるとともに、加
算制度の一本化について検討を進める。また、処遇改善加算等の取得要件
である職場環境等の要件について、生産性の観点から見直しを検討する。
〇なお、処遇改善に関する加算を未だ取得していない事業所も一定程度存
在することから、こうした事業所における給与体系の構築等も含め、社会保
険労務士等による個別相談等を行い、着実な取得率の向上を図る。


⑦職員配置基準の柔軟化の検討
〇現在、介護施設では、サービス利用者3人に対して職員1人という3:1の
職員配置基準となっているが、今後、優れた運営ノウハウに基づき、テクノ
ロジーやいわゆる介護助手等の取組を先進的に導入し、組み合わせること
により、3:1より少ない人員で運営が可能になる事業所が出てくる可能性が
ある。
〇このため、現在実施している実証事業などで得られたエビデンス等を踏ま
え、先進的な取組を実施している事業所の人員配置基準を柔軟に取り扱う
ことを含め、次期報酬改定の議論の中で検討する。
〇また、ユニット型についても、令和3年度介護報酬改定の際に、1ユニット
当たりの定員について、原則 10 人以下としつつも、15 人まで認められること
になったところ。この運用状況等を検証しつつ、次期報酬改定において、職
員配置の弾力化に向けた方策についての議論を進める。
⑧介護行政手続の原則デジタル化
〇介護現場の市町村などへの届出や報酬請求の行政手続の多くは紙ベー
スで行われており、書類作成・保存だけで相当のコストとなっている。加えて、
市町村ごとに独自の記載欄を求める例も多く、システム化による効率化が
難しい状況にある。
〇厚生労働省では、令和3年度に電子申請・届出システムを構築し、今年 10
月から運用を開始しているが、これをさらに加速化するため、全自治体によ
るシステムへのアクセス確保と様式の全国標準化を行うとともに、電子申
請・届出システムの利用を原則化する。

 

タイトルとURLをコピーしました