「AIを導入済み」という企業は増えましたが、実はその多くが能力の1〜3%しか活用できていないのが実態です。
単なる検索や議事録作成、文書の下書き作成、関数入力で終わっていませんか?
本記事では、AI活用を5段階のレベルで解説。
AIを有効活用すると業務の自動化が可能です。
自動化率60%超を目指す「AIカスタマイズ」の真価と、今こそ活用すべき助成金戦略についてお伝えします。
株式会社オンリーワン経営 代表取締役 AIコンサルタント/経営コンサルタント 木村 淳(あつし)

- 「うちの会社もAIを導入しています」——そう言える経営者は増えてきました。
- レベル1:現状(自動化率0%)
- レベル2:無料版AI活用(自動化率1〜3%)
- レベル3:有料版AI導入(自動化率10〜30%)
- レベル4:AIカスタマイズ(自動化率30〜60%)
- レベル5:AIエージェント(自動化率70〜90%)
- 移行期間の戦略:「にんべんの付く自働化」という考え方
- 今こそ動くべき理由——助成金75%という追い風
- あなたの会社の「自働化」、どこから始めますか?
- あなたのビジネスを加速させて次の一歩を踏み出しましょう!
- お気軽にお問い合わせください!
- 執筆者:株式会社オンリーワン経営 代表取締役 木村淳(あつし)
- 講師の資格研修履歴
「うちの会社もAIを導入しています」——そう言える経営者は増えてきました。

「うちの会社もAIを導入しています」——そう言える経営者は増えてきました。
ChatGPTで議事録を作成し、検索に使い、文書作成し、関数入力します。
確かにそれも立派なAI活用です。
しかし、正直に言います。
AIの能力のわずか1〜3%しか使えません。
あなたの会社は可能性を秘めています。
無料版のAI検索・議事録・文書作成ツールを使ったとしても、AI能力のせいぜい1〜3%にとどまります。
AIの総合能力を100とした場合、現状の多くの企業が行っているPC・スマホ作業や事務作業は、すべて手作業・手入力、自動化はゼロです。
では、本当の意味でビジネスを変えるAI活用とは何か。
AIの活用レベルは、大きく5段階に分けられます。
では、本当の意味でビジネスを変えるAI活用とは何か。
それが「AIカスタマイズ」と「AIエージェント」です。
レベル1:現状(自動化率0%)

PCやスマホを使った事務作業は、すべて手動で行われています。
これが現在の大多数の中堅/中小企業の姿です。
AIは、社員任せ、あるいは、一部の社員のみに有料版を使わせています。
法人有料版AI契約率は、10%以下です。
会社全体で、自動化率は、0.1~0.9%。実質0%です。
(有料版アカウント数/全社員数。パートナー派遣社員は8時間換算で正社員1名とする)
レベル2:無料版AI活用(自動化率1〜3%)

ChatGPTなどの無料ツールで検索・議事録・文書作成をサポート。
MSのCopilot有料版をいちはやく導入した企業や上場企業の子会社でも多く見られる傾向です。
2022年から2023年の早い段階にAIを導入しました。
しかし実際には、Google検索の延長線でしか使われていないケースがほとんどです。
導入自体が目的になってしまっている——とても残念な状況です。
レベル3:有料版AI導入(自動化率10〜30%)

有料版のAIツールを導入することで、業務の一部が実質的に自動化されます。
ここから「コスト削減」「時間短縮」への実感が生まれてきます。
特に各社のビジネスプランは、チームで使うのに適しています。
AI導入前よりも質が高く、短時間で作業ができるようになるためです。
レベル4:AIカスタマイズ(自動化率30〜60%)
自社の業務フローに合わせてAIをカスタマイズすることで、仕事全体の30〜60%が自動化されます。
これが現実的に狙える最大の「費用対効果ゾーン」です。
ここで特に注目したいのが、「入力」そのものの革新です。
多くの企業では、情報をPCで手入力することが当たり前になっていますが、実はこの「入力作業」こそが最大の非効率を生んでいます。
入力作業がボトルネックです。
これまでオフィスのPCで行っていた手入力作業を、現場でのスマホ・タブレット入力へ切り替えるだけで、情報収集のスピードと精度が劇的に変わります。
さらに以下の5つのアプローチを組み合わせることで、手入力の負担をほぼゼロに近づけることができます。
① スマホ写真での文字起こし → カスタムAI作業形式への自動変換

現場で撮影した作業日報・帳票・書類・ホワイトボードの写真をAIが即座にテキスト化し、そのままカスタマイズされたAIの作業フォーマットへ自動変換します。
手で打ち直す手間が一切不要になります。
AIの文字起こしで間違った部分は、スマホ音声入力を使いその場でデータ修正します。
通常AIチャットでも「文字起こし」は可能です。
カスタマイズされたAIは、文字をルール通りに並べ替えデータベースとして活用できる段階まで加工することができます。
② スマホ音声入力での文字起こし → カスタムAI作業形式への自動変換

現場での口頭報告や確認事項をスマホに向かって話すだけで、AIが文字起こしを行い、報告書・日報・チェックリストなど所定のフォーマットへ自動整形します。
移動中や作業の合間でも情報入力が完結するため、事務所に戻ってからの「転記作業」が不要になります。
これらの仕組みは、ITが苦手なスタッフでもすぐに使いこなせる点が最大の強みです。
「入力する場所」と「入力する方法」を変えるだけで、現場と事務の両方の生産性が同時に上がります。
そして入力されたデータは、マクロ/VBA・GASコードを活用したカスタムAIが自動で集計・並び替え・検索・抽出を行います。
このデータに基準値(±:プラスマイナス)や閾値(いきち)を設けることで、自動メール・チャット送信によるアラーム通知も可能になります。
これまで担当者が毎日30分〜1時間かけてExcelで手作業していた一次データの加工処理が、ボタン一つで完了する世界です。
「データを入れたら、答えが出てくる」——この体験が、現場の生産性を劇的に変えます。
ここまでデータが整ってしまえば、基幹システムやCRMへのCSV形式やAPI連携で一括入力することも可能になります。
③基幹システム/CRMに入力されていない「宝の山」データ活用
基幹システムやCRMに入力されていないデータもAI経由で整理し、活かすことが可能です。
有料版ChatGPTs、有料版Claudeのskill/knowledge、NotebookLMとGemの組み合わせで、非システムエンジニアでも簡単にデータ活用の仕組みが構築できます。
しかも、手軽なスマホ/タブレットからの入力や出力(見る、聞く、調べる等)活用が容易にできます。
特に、Googl Workspaceは、Androidを持っているだけで、スマホアプリとして比較的簡単にアプリ作成ができます。
もちろん、APP Store経由でiPhoneでもアプリは利用可能です。
月額680円程度から5,000円/アカウントで可能です。
データ構築は、自社非エンジニア社員で構築しアカウントを持っている全社員が活用できます。
上手く活用すると、限界利益率が1〜3%は改善すると思います。
あるメーカーでの課題とAI活用事例
既存のSOP、手順書、マニュアルをAIのknowledgeに設定。
アウトプットを、社員の技能レベルに合わせて出力する。
社員育成の仕方、社員負担軽減、労災防止、社員が付加価値業務へ集中できる。
しかも、アプトプット形式は、スライドや動画形式です。
④ベテラン社員や経営陣のノウハウのデータ化と活用も可能
膨大な、過去データもPDF経由、フォルダーの一括移管で、会社の知的財産として利用可能です。
昭和的な感じで言いますと、上司の自慢話、顧客との取引経緯と武勇伝、トラブル対応=伝説に残る失敗談を文字起こし、テキストとして、ドライブやフォルダーに保存します。
半分冗談で以下のような使い方を提案しています。
16:00からビールでも一杯飲ませて居酒屋談義スタート。
YouTube動画撮影します。
自慢話、武勇伝、伝説の失敗談を収録します。
YouTubeの限定公開でアップロードして、NotebookLMのアップします。
または全文文字起こしして、信頼性が高い部分だけ要約させます。
ベテラン社員や役員は、夕方から昭和的に楽しくお酒を飲むことができます。
若い社員たちは、古参・ベテランのノウハウを「お酒抜きで」学ぶことが可能です。
時間外でオヤジたちに付き合う必要もありません。
オヤジたちは、お酒を飲みながら、自慢話、武勇伝、伝説の失敗談を話して楽しくなります。
なお、ChatGPTやGeminiなどでは、ファイル添付が10程度までです。
しかし、NotebookLM(有料のGooglWorkspace)では1つのカテゴリーに300のファイル入れコントロールすることが可能です。
NotebookLMは秀逸なAI製品です。
有効に活用しましょう。
これも上手く活用すると、限界利益率3〜10%は改善すると思います。
Geminiのみならず、NotebookLMやYouTubeも一体で使えるGooglWorkspaceは素晴らしいです。
⑤複数AIを使うことがあたり前の社会へ
「うちは、Copilotを導入しています」は古いです。
Copilot の素晴らしい部分もありますが、苦手な分野、出来ない分野も沢山あります。
例えば、
1)スマホ経由でAI活用する仕事です。
2)精度の高いRAG構築に基づく仕事です。
2026年3月7日時点では、AIエージェントやAIエコシステム環境によって、複数AIの強みを最大限活かす構築が可能になってきました。
Copilot を導入した企業の「企業文化」もあるかもしれませんが、PC入力を前提として仕事をしているようです。
Copilot を導入している=AIを導入しているで満足し、本質的な改善に至ってないような気がしています。
他のAIの活用事例に無頓着であるようにも感じます。
精度の粗い出力のRAGに満足して、「他のAIを使うと精度の高いRAG構築が現場社員※でも出来る」を知らない等です。
2026年末には、生成AIは、今では想像できない世界になっていると思います。
なにせ、2025年3月(1年前)、私はこんなにAIが進化して、様々な業務ができるとは想像できませんでした。
マルチデバイス、マルチモーダル、精度の高いRAG構築は現場社員※が当たり前です。
※システムエンジニア系の社員ではありません。ハイエンドAI人材、アドバンスト・エッセンシャルワーカーと言われる人材づくりです。
レベル5:AIエージェント(自動化率70〜90%)

AIが自律的に判断・実行するレベル。
業務の大半がAIによって処理されます。
将来的な目標として据えつつ、まずはレベル4を目指すことが現実的な戦略です。
2026年3月時点でAIエージェントを企業全体で導入するためには、技術的課題や雇用問題、スタッフのスキル・技能のレベルアップ、セキュリティの課題があると考えています。
ただし、個々のスタッフの業務や小さなチームの業務においては、すでに強烈なインパクトをもたらしています。
移行期間の戦略:「にんべんの付く自働化」という考え方
基幹システム・CRMの課題

基幹システムやCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)は、大変素晴らしい効率的なシステムです。
生成AIの「確からしさ」から仕事をする業務とは異なり、正確性そのもので仕事をする仕組みです。
一方で、基幹システムもCRMも「入力項目が多い」「入力順番が現場作業の流れと合っていない」「事務所に戻ってPCの前に座って作業しなければならない」といった課題を抱えています。
高額な基幹システムやCRMの能力を100%活かしている会社が少ない状況が、ここにあります。
また、1アカウントごとの定額契約という料金体系も課題のひとつです。
2025年末から2026年初頭にかけて「SaaS(サース)が死んだ」と言われた背景のひとつに、定額サブスク契約への不満があると考えています。
使いこなしている社員も、10%しか使っていない社員も同じ料金を毎月払わなければならないのが現実です。
使いこなしている社員は従量課金とし、利用率の少ない社員は減額契約にするなど、柔軟な料金体系へのニーズはここにあるのではないかと考えています。
トヨタ生産方式に学ぶ「自働化」の思想

移行期間として私が提唱するのが、レベル4で述べた仕組みです。
この考え方の根底には、1978年(昭和53年)初版のトヨタ生産方式を著した大野耐一(おおの たいいち)氏が説いた思想があります。
同書の核心のひとつが、「にんべんの付く自働化」です。
日本語の「じどうか」は通常「自動化」と書きますが、大野氏はマシンとマシンの間に人間が介在する『自【働】化』という考え方を提唱しました。
私自身、コンサルタントとしての経験の中で、最も影響を受けた概念のひとつです。
生成AIが広まる今まさにこの移行期においても、この「自働化」の思想が重要だと考えています。
AIを使い複数の業務を30%~60%自動化し、人間が介在し基幹システムやCRMへ引継ぎ「自働化」します。
生成AIが得意な領域と、既存の基幹システムやCRMが得意な領域を上手く結びつけること——それが組織全体の収益性を高める鍵です。
組織全体でも30%~60%の「自働化」が達成されます。
2026年3月時点では、レベル5:AIエージェント(自動化率70〜90%)を組織全体として導入するには、私たちが乗り越えるべき課題が多くあります。
その前段階として、レベル4:AIカスタマイズで基盤を作り、運用実績を積んでおくことが重要です。
現場オペレーションを短期間で大きく変えず、中間工程を改善しながら最終的に基幹システムやCRMへ繋げていく——この段階的なアプローチこそが、現実的な経営判断だと確信しています。(2026年3月7日時点)
今こそ動くべき理由——助成金75%という追い風

「AIカスタマイズに興味はあるが、費用が心配」という経営者の方に、朗報があります。
レベル4からレベル5への移行期間だからこそ、政府の助成金・補助金を有効に活用していくことをお勧めします。
2025年12月23日、政府は「人工知能基本計画」を閣議決定しました。
その後の衆議院選挙の公約でも掲げられ、2027年度以降の骨太の方針へ盛り込まれる可能性が極めて高い内容です。
現行の現場リスキリング支援は2026年度で一区切りとなりますが、前述の閣議決定の内容から読み解くと、支給要件や基準、対象範囲を変えながら継続されるものと考えています。
※実際、国会審議や各種議事録、骨太の方針、2027年度予算そのものを待ちたいと思います。
例えばAI導入のイニシャルコストに1,000万円をAI搭載システム、コンサルタントに払うよりも、同じ1,000万円を使って自社でカスタマイズ出来る現場人材、RAG構築できる現場人材を大量に育成したほうが、良いと判断しています。
ランニングコストは、数百円~5,000円/アカウントです。
新年度、厚生労働省の「人材開発支援助成金」を活用することで、AI研修・カスタマイズ導入費用の最大75%が助成されます。
つまり、
100万円かかる取り組みが、実質25万円
1,000万円かかる取り組みが、実質250万円の自己負担で実現できる計算です。
国がAI人材育成を強力にバックアップしている今こそ、動き出す絶好のタイミングです。

あなたの会社の「自働化」、どこから始めますか?

「自社の社員は、毎日どれだけの時間を”繰り返し作業”に費やしているか?」
——まずこの問いを、経営者自身が持つことが出発点です。
データ入力、メール対応、報告書作成、スケジュール調整——こうした定型業務こそ、AIカスタマイズが最も威力を発揮する領域です。
PCかつキーボード作業は、「付加価値のない仕事ではないか?」と疑ってみてください。
仕事の30〜60%を自動化できれば、社員はより創造的な業務、付加価値業務に集中できます。
つまり、限界利益の絶対額を稼ぐことが可能になります。
固定費が同じであれば、限界利益の絶対額確保が重要なことは、誰でも判っていることです。
生産性が上がり、採用コストも抑えられる。経営に直結する変化が生まれます。
大野耐一が半世紀前に説いた「にんべんの付く自働化」——人とテクノロジーが最適な役割分担で協働する思想は、生成AIの時代においても本質を変えません。
現場を急激に変えず、中間工程から賢く変えていく。
その第一歩を、補助金という追い風が吹いている今、踏み出してください。
一歩踏み出す判断が、3年後の会社の姿を大きく変えるでしょう。
まずは厚生労働省 人材開発支援助成金 リスキリングの活用可否を確認することから始めてみてください。





