はじめに
今、日本政府では90%の機関がAIを導入し、業務の劇的な効率化を進めています 。
一方で、民間企業の活用はわずか8.4% 。
この差こそ、人手不足に悩む中小/中堅企業にとって最大の好機です。
2026年、AIは「検索利用」から、提案動画作成やSNS運用を勝手に終わらせる「働き手」に変わりました 。
長年の勘と経験にAIという武器を加え、次の5年、10年も勝ち続ける組織を作りませんか?
株式会社オンリーワン経営 AIコンサルタント/経営コンサルタント 木村 淳

生成:NotebookLM
官民で加速するAI実装

生成:NotebookLM
2026年を迎え、AI(人工知能)は「実証実験」から「実装・活用」のフェーズへと明確に移行しました。
ChatGPT、Gemini、Claudeなども、ファンデーションモデル(基盤モデル)同士の競争から、AI搭載アプリケーション競争、さらにはAIエコシステム競争へと移行しています。
注目すべき点は、日本政府機関の生成AI導入率が約90%に達し、2027年までにほぼ全ての政府機関で活用される見込みとなっていることです。
地方自治体でもAI導入率は59.2%(生成AIは32.0%)となっており、公的部門でのAI活用は急速に進んでいます。
一方で、民間企業では労働者のAI利用率がわずか8.4%(生成AIは6.4%)に留まっており、官民格差が顕著になっています。
特に従業員30〜500名規模の中堅企業にとって、この転換期は大きなチャンスであると同時に、決断を迫られる局面でもあります。
データで見る日本のAI導入状況

生成:NotebookLM
官民で大きく異なるAI活用度
政府調査および国際機関の最新データから、日本のAI導入状況には明確な傾向が見えてきます。
| 区分 | AI導入率 | 出典 |
|---|---|---|
| 政府機関(生成AI) | 約90% | デジタル庁調査(2026年) |
| 地方自治体(AI全般) | 59.2% | 日本総合研究所(2024年末) |
| 地方自治体(生成AI) | 32.0% | 日本総合研究所(2024年末) |
| 民間労働者(AI利用) | 8.4% | OECD調査 |
| 民間労働者(生成AI利用) | 6.4% | OECD調査 |
| 企業のAI利用ポリシー策定率 | 42.7% | 総務省 情報通信白書(2024年) |
このデータから見えてくるのは、「官は積極導入、民は大きく出遅れ」という構図です。
政府は2027年までに利用率80%超を目指していますが、民間企業、特に中堅企業では具体的な導入計画すら立っていないケースが多いのが実情です。
三つの企業層に分かれる現状

生成:NotebookLM
OECD調査および国内調査を総合すると、中堅企業は以下の三層に分類されます。
【導入未検討層:60%】
- 法人契約がない状態です
- 経営層が関与していません(社員任せです)
- 若手や一部の人だけが個人利用しています
- 無料契約の範囲で使わせている、または個人契約に任せています
【導入済・活用停滞層:37%】
- 法人契約はしています
- しかしカスタムAI(ChatGPTs / Gem)を活用していません
- 検索の延長レベルの表面的な利用に留まっています
- RAGを活用していません
【活用推進層:1〜3%】
- 社員の80%がカスタムAIを作成できます
- RAGを有効活用しています
- 作成したChatGPTs / Gem / NotebookLMを組織内で共有しています
- ベテランの知恵やノウハウをAIに蓄積し、継続的に改善しています
特に注目すべき点は、AIポリシーを策定している企業が42.7%に留まっている点です。
これは米国・中国・ドイツと比較しても低水準であり、「導入はしたものの運用ルールが曖昧」という企業が多数存在していることを示しています。
※後半にサンプルを掲示していますので、活用してください。
2026年のAIトレンド:CHAT → WORKへ

生成:NotebookLM
AIは「アシスタント」から「実務担当者」へ
2026年のAI業界で最も注目されているキーワードは「CHAT → WORK」です。
これまでAIは対話型ツールや分析支援ツールとして使われてきましたが、今後は実際の業務を遂行する「働き手」としての役割を担うようになります。
政府機関での実例
政府機関の90%が生成AIを導入している背景には、以下のような実務活用があります。
- 政策立案時のデータ分析と報告書作成の自動化です
- 国民からの問い合わせ対応の自動応答です
- 内部事務プロセス(申請書処理など)の効率化です
民間企業での具体例
従来
営業担当者がAIに売上レポート作成を依頼し、確認・修正していました。
2026年
AIが自律的にデータベースへアクセスし、分析・グラフ作成・レポート・動画解説・マニュアル作成まで一貫して実施し、完成版を自動送信します。
AI導入の成否を分ける三つの要素

生成:NotebookLM
1. データ基盤の整備
課題として、データの質やアクセス性が障壁になっています。
中堅企業でも、データが部門ごとに分断され、AIが活用できない状態が多く見られます。
対策(模範例)
- 既存データの棚卸しを実施します
- 重要データから優先的に整理します
- 特定業務からスモールスタートします
木村が考える対策
- 日報・週報・月報の要約です
- 手書きノートの文字起こしです
- SNS運用分析と改善提案です
- 提案書自動作成(NotebookLM推奨)です
2. AIガバナンス体制の構築
課題として、AIポリシー未策定が挙げられます。
ルールが曖昧なままでは、現場の信頼は得られません。
対策
- AI利用ルールを明文化します
- 判断プロセスを可視化します
- 定期的な見直しを行います
※後半にガイドラインサンプルを掲示しています。
3. 人材育成と組織文化の変革
課題として、人材不足と心理的抵抗があります。
対策
- 人材開発支援助成金(助成率75%)を活用します
- 「AIは良い意味で手抜きする道具」と伝えます
- 成果をAI手当として還元します
企業層別:今すぐ取るべきアクション

生成:NotebookLM
【導入未検討層】小さく始めます
- 目的を明確にします
- PoCを実施します
- 同時にポリシー策定を開始します
【導入済・活用停滞層】定着化を図ります
- 教育不足を解消します
- ガバナンス整備を最優先します
- スマホ入力・音声入力を活用します
【活用推進層】業務遂行型AIへ進化します
- ワークフロー統合を進めます
- AIをカスタマイズします
- 業界標準を作る側に回ります
まとめ:2026年は官民格差を埋める年です

生成:NotebookLM
- 政府機関90%、地方自治体59%がAI導入済みです
- 民間労働者のAI利用率は8.4%です
- AIポリシー策定率は42.7%です
- 政府は80%超を目標にしています
この官民格差は、中堅企業にとって大きな成長機会です。
2026年は「AI活用の差が業績の差になる年」です。
今行動を起こした企業が、将来の勝者になります。
AI利用ガイドライン
(生成AI・機械学習ツール等の業務利用に関する基本方針)
制定日:2026年2月1日
最終改訂:2026年2月1日
管理部門:情報システム部
第1章 総則
第1条(目的)
本ガイドラインは、当社における生成AI(ChatGPT、Claude、Gemini等)および機械学習ツール等(以下「AIツール」という)の業務利用に関する基本方針、利用範囲、禁止事項、セキュリティ対策を定め、適切かつ安全な活用を推進することを目的とする。
第2条(適用範囲)
本ガイドラインは、当社の全従業員(正社員、契約社員、派遣社員、アルバイト等を含む)に適用される。
第3条(基本方針)
当社は、AIツールを業務効率化と価値創造のための重要な手段と位置付け、以下の基本方針に基づき活用を推進する。
- 生産性向上: 定型業務の効率化、意思決定支援、創造的業務への時間確保を目指す
- セキュリティ確保: 機密情報・個人情報の保護を最優先とする
- 透明性の確保: AIの判断・生成結果について、その根拠と限界を理解した上で活用する
- 人間中心の原則: 最終的な判断は人間が行い、AIは支援ツールとして位置付ける
- 継続的改善: AI技術の進化に応じて、本ガイドラインを定期的に見直す
第2章 利用可能なAIツールと承認プロセス
第4条(承認済みAIツール)
当社が業務利用を承認するAIツールは、以下の条件を満たすものとする。
- 情報システム部による事前審査を経たもの
- 利用規約においてデータの学習利用がオプトアウト可能、または学習に利用されないことが明記されているもの
- 適切なセキュリティ対策が講じられているもの
【承認済みツール一覧(2026年2月時点)】
| ツール名 | 用途 | 利用部門 | 備考 |
| ChatGPT Team | 文書作成、データ分析、アイデア創出 | 全社 | 学習利用オフ設定済み |
| Claude Pro | 長文解析、コード生成 | 開発部、企画部 | 学習利用なし |
| Microsoft Copilot(M365) | メール作成、Excel分析、会議要約 | 全社 | 社内データのみ利用 |
第5条(新規AIツール導入の申請)
承認済みツール以外のAIツールを業務利用する場合は、事前に以下の手続きを経ること。
- 所属部門長の承認を得る
- 情報システム部に「AIツール利用申請書」を提出する
- 情報システム部によるセキュリティ審査を受ける
- 承認後、全社共有ツールとして登録される
第3章 情報セキュリティ
第6条(入力禁止情報)
AIツールへの入力を
絶対に禁止する情報は以下のとおりとする。
- 顧客の個人情報(氏名、住所、電話番号、メールアドレス、マイナンバー等)
- 社外秘・機密情報(未公表の財務情報、M&A情報、新製品開発情報等)
- 認証情報(パスワード、アクセストークン、秘密鍵等)
- 第三者の知的財産(無断での他社製品・サービスのコード、契約書原文等)
- 従業員の個人情報(人事評価、給与情報、健康情報等)
第7条(入力時の匿名化・マスキング)
業務上必要な場合でも、以下の対策を講じた上で入力すること。
- 固有名詞を仮名・記号に置き換える(例:「A社」「XX部門」「担当者B」)
- 数値を丸める・範囲化する(例:「約100万円」「30〜50代」)
- 特定可能な情報を削除する(例:プロジェクト名、部署名の削除)
第8条(出力結果の取り扱い)
AIツールから得られた出力結果は、以下のルールに従って取り扱うこと。
- ファクトチェック必須: AIの生成内容には誤りが含まれる可能性があるため、重要な情報は必ず裏付けを確認する
- そのまま使用禁止: AI生成文書をそのまま顧客・取引先に提出しない。必ず人間が内容を確認・修正する
- 著作権侵害の確認: 生成されたコード・文章・画像が既存の著作物を侵害していないか注意する
- AI利用の開示: 顧客向け成果物にAI生成内容が含まれる場合、必要に応じてその旨を開示する
第4章 利用場面別ガイドライン
第9条(推奨される活用例)
以下の業務においては、AIツールの積極活用を推奨する。
| 業務分野 | 具体例 |
| 文書作成支援 | 議事録のたたき台作成、メールの文面調整、報告書の構成案作成 |
| データ分析・要約 | Excelデータの傾向分析、長文資料の要約、複数文書の比較 |
| アイデア創出 | 企画のブレインストーミング、キャッチコピー案の生成、課題解決のアプローチ検討 |
| 学習・スキルアップ | 新しい技術の学習、業界用語の理解、プログラミングコードの解説 |
| コーディング支援 | バグ修正の提案、コードレビュー、テストケース作成 |
第10条(利用に注意が必要な場面)
以下の場面では、AIツールの利用に特に注意し、必ず上長または専門部署に相談すること。
- 法的判断が必要な業務(契約書作成、法令解釈など)→ 法務部に相談
- 人事評価・採用判断など人に関する重要な意思決定 → 人事部に相談
- 医療・健康に関するアドバイス → 専門家に確認
- 財務・投資判断 → 経理部・経営企画部に相談
第5章 教育・研修
第11条(AIリテラシー研修)
全従業員は、年1回以上のAIリテラシー研修を受講すること。研修内容には以下を含む。
- AIツールの基本的な仕組みと限界
- セキュリティリスクと対策
- 効果的なプロンプトの書き方
- 実務での活用事例
第12条(相談窓口)
AI利用に関する質問・相談は、以下の窓口で受け付ける。
- セキュリティ関連: 情報システム部(内線:1234、メール:it@example.com)
- 活用方法・事例共有: AI推進チーム(内線:5678、メール:ai-support@example.com)
第6章 違反時の対応
第13条(違反行為)
本ガイドラインに違反する行為を発見した場合、または自身が違反してしまった場合は、速やかに上長および情報システム部に報告すること。
第14条(処分)
本ガイドラインに違反した場合、就業規則に基づき、懲戒処分の対象となることがある。
第7章 改廃
第15条(見直し)
本ガイドラインは、AI技術の進展や法規制の変更に応じて、年1回以上の見直しを行う。
第16条(改廃手続き)
本ガイドラインの改廃は、情報システム部の提案に基づき、経営会議の承認を経て行う。
付録A:よくある質問(FAQ)
Q1. 社外秘ではない一般的な業務内容なら自由に入力してよいですか?
A1. 一般的な業務内容であっても、会社名・製品名・プロジェクト名など特定可能な情報は匿名化してください。「当社の○○プロジェクト」ではなく「ある企業の新規プロジェクト」のように記述してください。
Q2. AIが生成したコードをそのまま製品に組み込んでもよいですか?
A2. 必ず以下を確認してください。(1)コードの動作確認とテスト、(2)セキュリティ脆弱性のチェック、(3)既存コードとの整合性、(4)ライセンス条項の確認。そのまま使用せず、必ずレビューと修正を行ってください。
Q3. 個人的な学習目的でAIを使うことは可能ですか?
A3. 業務時間内であれば、スキルアップを目的としたAI利用は推奨されます。ただし、業務に関連する内容に限り、本ガイドラインのセキュリティルールは遵守してください。
Q4. AIが間違った情報を生成した場合、誰が責任を負いますか?
A4. AIの出力を確認せずに使用した場合、最終的な責任は使用者(従業員)にあります。そのため、重要な情報は必ずファクトチェックを行い、人間が最終判断をしてください。
Q5. 承認されていないAIツール(無料版ChatGPTなど)を緊急で使いたい場合はどうすればよいですか?
A5. 緊急の場合でも、必ず事前に情報システム部に連絡し、簡易審査を受けてください。無断使用は禁止されています。どうしても緊急で使用する場合は、機密情報を一切入力せず、事後速やかに報告してください。
付録B:入力テンプレート例
【匿名化の例】
❌ 悪い例:
「当社(ABC株式会社)の新製品XYZの販売戦略について、競合のDEF社と比較した提案書を作成してください。顧客リストは田中太郎、鈴木花子、佐藤次郎です。」
✅ 良い例:
「ある製造業企業が新製品を市場投入する際の販売戦略について、競合他社との差別化ポイントを整理した提案書の構成案を作成してください。想定顧客層は中小企業の経営層です。」
改訂履歴
| 版 | 日付 | 変更内容 |
| 1.0 | 2026/2/1 | 初版制定 |






