気仙沼100年企業の挑戦 フカヒレ姿煮を地元の人に味わって頂きたい!!
写真は、「一景閣 フカヒレ姿煮」(黒のパッケージ レトルトパック入り)を湯煎して、提供して頂きました。価格と大きさにびっくりです。
初めに「フカヒレ」開発に至った背景や経緯を紹介します。
背景としては、皆様ご承知のように、宮城県のサメの生産は、11,731トン 日本国内のシェア9%(2019年度)です。
宮城県内の主な産地は、気仙沼、南三陸町、石巻です。
参考までに全国2位の北海道は、一桁少ない1,617トン 9%、3位の宮崎県1,478トン 6.3%です。
フカヒレはその中でも、高単価商材です。
加工ノウハウも気仙沼が一番だと思います。
具体的には、肉、皮(サメ皮製品)、ひれ100%加工できる産地は気仙沼だけです。
また、業界では気仙沼がモウカザメ(ネズミザメ科)は100%、ヨシキリザメ(メジロザメ科)はおおよそ50%といわれています。
一説によると「フカヒレ」は、江戸時代より中国へ輸出していたと聞いたことがあります。
各魚種の漁獲高が減少する中、気仙沼が次代を担う地元の産品「フカヒレ」ではないかと考えています。
一方、気仙沼にお住まいの方で、手軽に「フカヒレ」の料理を召し上がる方が少ないのではないかと感じています。
開発の動機は3点あります。
1点目は、地元気仙沼の方に、ある程度お手頃価格でフカヒレ料理を味わって頂きたいということ。
2点目は、東日本大震災からの復興の一つとして、全国にフカヒレ料理を発信していきたいこと
3点目は、サメの漁獲・生産加工から調理に至るまで地元産業として育成し、地元企業が元気になってもらいたいこと です。
お陰様で株式会社ホテル一景閣 2階レストラン「お食事処 浮島」は、2019年よりフカヒレ料理を提供していました。東日本大震災から再建した後、観光客様に切り替わるタイミングで「フカヒレ三昧」(メニュー名)を提供しました。
東京などの高級料理店でなければ、フカヒレの「姿煮」を食べることが出来ません。
正直フカヒレスープといっても、どれがフカヒレなのか触感が少ないと思います。
ましてや「姿煮」は・・・・。
気仙沼では、東京等と比較するとお手頃に召し上がって頂くことが可能です。
「フカヒレ三昧」は大好評で、観光客の方に楽しんでいただけるメニュー、ご指名を頂けるメニューとなりました。
多くのお客様より、お土産やテイクアウト出来ないのかとご要望がありました。
2社200年企業を目指して!
その14年後、火災にあい、現在の株式会社ホテル一景閣の地(弁天町)に移転しました。明治の当時は、目の前が海で、風光明媚なところであったそうです。
地の利を活かせないのかと思い、旅館業を始めたのだと聞いています。当時の写真は株式会社ホテル一景閣1階ロビーに展示しています。是非ご覧ください。
現在に至るまで1933年(昭和8年)昭和三陸沖地震津波、1960年(昭和35年)チリ地震津波、2011年(平成23年)東日本大震災まで3度の津波の被害にあっています。過去2度の津波でも内陸部に移転しなかったのは、何かの魅力やご縁があったのだと思います。
今回の東日本大震災でも、建物を頑丈に作っておりましたので、同じ場所で再建が出来ました。やはり縁があると思います。
住研工業株式会社は1974年(昭和48年)2月28日、株式会社ホテル一景閣は昭和61年12月16日、三代目 斉藤徹(現会長)が法人化しました。
お陰様で過去に大きな自然災害にあったにも関わらず、2つの会社が100年以上の歴史を刻むことができました。
東日本大震災復旧復興工事により、株式会社ホテル一景閣周辺の景観が変わりました。ホテル事業の強みを生かし、次の収益事業を作っていきたいと思います。
2つの100年企業を是非200年企業へもっていきたいと思います。
東日本大震災復旧復興過程で、様々検討しましたしチェレンジしました。今回の「フカヒレの姿煮」はその一つです。
地元に愛される商品にバージョンアップしていきたいと思います。
株式会社ホテル一景閣「フカヒレ姿煮」の特徴
1点目は、「フカヒレ×カツオ」が大きな特徴です。
スープのダシが、「カツオ」です。
私の父の時代より、気仙沼の地物を使った料理を提供してきました。
味にこだわっていた父が料理長に命じて「中華味のフカヒレの姿煮」や「お焦げあんかけ」を提供していました。「一景閣 フカヒレ」のスタートです。
お客様ニーズや、ホテルのブランディングも考慮して変化させてきました。
「お食事処 浮島」は、和食がメインです。フカヒレ料理を出したいのですが、中華とはイメージが異なる為、和食系にアレンジしました。
「フカヒレの姿煮」は、私が開発しました。「和風味」にこだわりました。震災からの復興、感染症が蔓延する中、次の時代を担う商品を作ろうと決心し1年掛け商品化に漕ぎ着けました。
2022年11月「ホテル一景閣フカヒレ姿煮」(レトルトパック)として完成しました。
レトルトパック化により、大切な方への贈り物やご家族との団欒の一品として提供できるようになりました。
フカヒレは、中華味も美味しいですが、和風カツオ出汁の「フカヒレ」は、和食洋食両方に合います。なかなかいいですよ!
また、気仙沼は日本有数のカツオの産地です。生鮮カツオの水揚げは、26年連続日本一位です。
2点目は、「ヨシキリザメ」の姿煮です。
ヨシキリザメは、カツオ延縄の針にひっかかりに漁獲されることが多いといわれます。
「ヨシキリザメは4-6年と早く成熟し、一度に30〜50尾くらい出産します。(サメの7割は胎生)。妊娠期間も9-12ヶ月。つまり、非常に頭数が増えやすいサメなのです。」が特長です。
日本国内の90%は「ヨシキリザメ」と言われています。
安定した数量が見込め、地元の皆様に召し上がっていただける魚種と部位ではないかと思います。
「フカヒレ×カツオ」により、開発の動機の2つ目である「地元企業が元気になってもらいたい」のスタートにわが社も立てたと思います。
今後の販売展開について
株式会社ホテル一景閣のフロントでの販売がメインです。
多くの方に召しあがって頂きたいため、道の駅大谷海岸、大島ウェルカムターミナルでの販売もスタートしました。
更に気仙沼市ふるさと納税の商品としてアップ予定(2022年12月29日現在)。
自社サイト
株式会社ホテル一景閣
〒988-0036 宮城県気仙沼市弁天町1丁目4−7
ホテル一景閣オリジナル カツオ出汁のフカヒレ姿煮
フカヒレ姿煮 160g ふかひれ 鱶鰭 レトルト 手軽 中華 / ホテル一景閣 / 宮城県 気仙沼市 [20561590]
気仙沼港を見渡す露天風呂 フカヒレ三昧の夕食が自慢
ホテル一景閣 宿泊金券1,000円券×30枚 宿泊券 旅行 旅 食事 / ホテル一景閣 / 宮城県 気仙沼市 [20561589]
住研工業株式会社
〒988-0026 宮城県気仙沼市幸町4丁目5−13
【取材記事】宮城県気仙沼 株式会社ホテル一景閣様 フカヒレ姿煮
気仙沼100年企業の挑戦 フカヒレ姿煮を地元の人に味わって頂きたい!!