インフレ経済におけるOODAループの活用方法について質問がありました。
インフレ環境では、物価の上昇、賃金上昇と人手不足、消費者行動の変化、サプライチェーンの変化などが発生しやすく、企業経営者にとって迅速な意思決定が求められます。
ここで有効なのが、OODAループ(Observe, Orient, Decide, Act) です。
2025年2月17日時点で「来期計画にPDCA・・・」と語っている時点でアウトです。
一旦、デフレ時代のPDCAサイクルを捨てましょう!以下詳述します。
OODAループとは
OODAループは、観察(Observe)→ 方向付け(Orient)→ 決定(Decide)→ 実行(Act)です。
ウーダループと読みます。
日本の発音的には「オーダループ」に聞こえると思います。
OODAループとPDCAサイクルの違い
OODAループとPDCAサイクルの違いを図表化しました。
OODAループは、PDCAサイクルと比較して
- 適応力
- スピード
に優れたマネージメントになります。
日本は2021よりインフレ経済に変わった!
IMF(国際通貨基金)が予測した日本の名目GDP
内閣府の政府経済見通し
内閣府HP
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総務省 消費者物価指数
日本銀行 企業物価指数の公表データ一覧
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OODAのポイントは「高速回転」
OODAループのプロセスを高速で回し、状況に応じた適応を可能にするフレームワークです。
特にインフレ環境下では、以下のように活用することが重要です。
Observe(観察)— 環境の変化をリアルタイムで把握
インフレ環境では、情報の遅れが致命傷になりかねません。
市場や社内の状況をリアルタイムで把握し、異常を早期に察知することが重要です。
観察すべきポイント
- マクロ経済データ(為替・原材料価格、通貨供給量・金利、有効求人倍率・失業率、CPI・PPI ※1)
- 顧客行動の変化(購買力・嗜好の変化・代替品の台頭)
- 競合の動き(価格転嫁/値上げ・定番品/新商品・コスト削減策、製品商品のS&B)
- サプライチェーンの状況(物流費高騰・納期遅延)
実践策
- BIツール※2やダッシュボードを活用し、リアルタイムデータを可視化
- AIを活用した市場予測モデルの導入
- 仕入先・流通業者との密な情報共有体制を構築
- 生産や工事に関係する外注業者との密な情報共有体制を構築
※1:CPI:消費者物価指数、PPI:生産者物価指数
※2:BIツール(ビジネスインテリジェンスツール)とは、企業のデータを収集・分析・可視化して、経営や業務に役立てるソフトウェア
オンリーワン経営のお勧め
- ノーコード&ローコードアプリを使ってタイムリーに情報を入手
- 条件1:スマホ、音声入力、写真撮影、動画撮影
- 条件2:マルチデバイス対応のノーコード&ローコードアプリ
- 条件3:ワークフローも構築できるノーコード&ローコードアプリ
- ノーコード&ローコードアプリのダッシュボード機能を活用する
- 上司は、24時間以内に回答する、判断し指示する
- 会議時間を1/2~1/3にする 報告は「なし」とする
Orient(方向付け)— 情報を整理し、意思決定の軸を定める
観察したデータをもとに、何が本質的な課題なのかを見極め、方向性を決めます。
インフレ環境では、短期的なコスト増にとらわれず、長期的な競争優位を築く視点が重要です。
検討すべきポイント
- コスト増加の要因分析(一時的か構造的か)
- 価格転嫁の余地(顧客が受け入れられる価格帯)
- 代替戦略の検討(原材料変更・内製化・デジタル化)
- 利益確保のシナリオ設計(薄利多売 or 高付加価値化)
実践策
- シナリオプランニングを活用し、複数の未来を想定(A案/B案/C案を準備しておく)
- 顧客・競合分析の強化(価格感応度・ブランドロイヤルティ向上)
- 社内意識改革(柔軟な意思決定文化の醸成)
オンリーワン経営のお勧め
- 上司は部下に対して、A案・B案・C案を考えさせる教育指導をする
- その上で日常的に、上司は部下に対してA案・B案・C案を含んだ報告を求める
- 部下は上司に対して、A案・B案・C案を考え報告する、指示を受ける
- NotebookLM等を利用して、過去のドキュメント・テキストからA案・B案・C案の回答を生成させる
- ライバル分析は、 Deep Research(ディープリサーチ)型AI、Genspark、Perplexityを有効活用する
- 顧客要望は、電話AIチャットボット、WEBAIチャットボットに変える
- 上司は部下に対して「チャレンジしたことをほめる」ほめ方に変える
- 上司は部下に対して「チェレンジする」マインドを持った教育を行う
Decide(決定)— 迅速な判断を下す
インフレ下では、意思決定の遅れが直接的な損失につながるため、迅速な判断が必要です。
OODAループを高速で回すことで、リスクをコントロールしながら適応することが可能になります。
決定時のポイント
- 80%の情報で決定(完全な情報を待たない)
- 小さな実験を繰り返す(A/Bテスト的思考 トライアンドエラー[trial and error])
- 決定の柔軟性を確保(環境変化に応じて軌道修正)
実践策
- アジャイル経営※3の導入(小規模で試し、成功したら拡大)
- データドリブン※4の意思決定(定性ではなく定量分析を重視)
- 意思決定の権限移譲(現場レベルでの迅速な判断)
オンリーワン経営のお勧め
- 職務分掌や権限規定の見直しを行い、現場、下位役職者に決裁権限を与える
- ノーコード&ローコードアプリ結果を生成AIで要約する仕組みにする
- 上記によって、データによる意思決定(案)を生成AIにA案/B案/C案作成させる
- 上記によって、データドリブンの意思決定を行う
- NotebookLM等の活用により、自社のルールや基準に対応したA案/B案/C案が作成されるようになってきた
- プロンプト作成は、プロンプトジェネレータ(有料)※5を使う。
- 経営者は、意思決定が早く、行動した管理職をほめる(多少の失敗は大目にみる)
- 経営者は、リベンジや再チャレンジを促す声がけをする
※3:アジャイル経営のagileとは、「機敏な」という意味で、アジャイル経営とは「少数のメンバーで構成されたチームによる迅速で機敏な経営」という意味
※4:データドリブン(Data Driven)とは、データに基づいて判断や行動を行う手法
※5:有料版を使って自社用に多少カスタマイズします。その後はコピーで対応
Act(実行)— 素早く動き、結果を検証する
決定した戦略を実行に移し、効果を検証しながら継続的に改善します。
特にインフレ環境では、「変化に適応し続ける」ことが重要になります。
実行のポイント
- 素早く実行し、小さな失敗を許容
- リアルタイムで効果測定し、次のアクションに活かす
- 外部環境に適応するために、OODAループを継続して回す
実践策
- リーンマネジメント※6の活用(無駄を排除し、迅速な行動)
- 価格戦略の動的調整(ダイナミックプライシングの導入)
- 生成AI/DX/IT/IOT技術の活用(RPA・AIによる業務効率化)
オンリーワン経営のお勧め
- 経営者は、デフレ時代のPDCAを「止める」宣言をする
- 経営者は、自分のスマホにCatGPT、Gemini、Deep Research(ディープリサーチ)型AI、Genspark、Perplexityをインストールする
- 経営者は、外部の人間と商談する際、Deep Research(ディープリサーチ)型AI、Genspark、Perplexityを使い相手の会社等を調べる
- 上記のコピーをとり、CatGPT、Geminiに要約させる。その上で商談・面談を行う。
経営者自身が日常的に使い生成AIの良さを知ると、組織内の浸透が早くなる
- 経営者・管理者はOODAループについて研修を受ける
- 管理者は、OODAループを部下に教える
- 経営方針・計画に加えるのも
- 着座した1時間以上の会議・ミーティングを止める
- 昭和的なOJTを止める
- 各部門「止める」業務を10個以上出し、止めること
- 経営者・管理者は、「止めた」業務に対して、後からとやかく言わない事(1年間我慢する)
- 人事評価項目からPDCAを削除する
- 人事評価項目に加える項目
- OODAループを使い倒すこと
- 生成AI活用(AIジェネレータ、NotebookLMの活用含む)
- ノーコード&ローコードアプリアプリ活用
※6:リーンマネジメントとは、無駄を排除して顧客価値を最大化することを目的とした経営手法
OODAループの導入で企業が得られるメリット
- 変化への即応力が向上(競争優位性を確保)
- 意思決定のスピードが向上(損失を最小化)
- リスク管理が強化(柔軟な戦略転換が可能)
- 持続的成長が可能(市場の変動に適応できる)
【まとめ】インフレ経済に適応するためのOODAループ
- Observe(観察) → リアルタイムでデータを収集、IT/DX/AIのフル活用
- Orient(方向付け) → 情報を整理、適応戦略を決定 生成AI、AIエージェント活用
- Decide(決定) → 素早く意思決定し、試験的導入 AI活用によるシミュレーション
- Act(実行) → 実行し、効果を検証しながら継続的に改善
特にインフレ時は、OODAループの**「スピード」と「適応力」** が競争優位を決めます。
単なるコスト削減ではなく、価値を創造しながら適応する戦略 を意識することが重要です。
このアプローチを導入することで、不確実な市場環境でも柔軟に成長し続ける企業経営が可能になります。
AI活用、AI人材育成に関する「経営相談」
AI活用、生成AI活用やAI研修、WEB求人、SNS、求人募集について「経営相談」を行っております。お気軽にお申し込みください。
WEBの制作/運用、Instagram、LINE公式アカウント等 制作/運用も行っております。
執筆者:株式会社オンリーワン経営 代表取締役 木村淳
執筆者:株式会社オンリーワン経営 代表取締役 木村淳
企業経営コンサルタント、医療コンサルタント、WEBコンサルタント、AIコンサルタント
医療分野は、5000名規模の医療法人グループと20年超の継続契約。
西暦 | 月 | 職種・所属・業務内容・その他 |
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1986(昭和61)年 | 4 | 株式会社タナベ経営入社能力開発部所属(現在タナベコンサルティンググループ 東証プライム) 新人賞、事務局優秀賞、努力賞、敢闘賞等社内表彰を受ける。 ) ) |
1997(平成9)年 | 4 | 同社経営協力部課長 経営協力部(経営指導・コンサルティング部門)にて、経営診断、調査、経営協力に取り組みます。 |
1998(平成10)年 | 4 | 同社 経営協力部部長代理(当時 34歳) |
2000(平成12)年 | 4 | 同社 東北支社長(当時 36歳 最年少支社長) |
2004(平成16)年 | 3 | 同社 退社(40歳の独立を目的とし退社)6ヶ月間創業準備を行います。 |
2004(平成16)年 | 9 | 株式会社オンリーワン経営を創業し代表取締役に就任する。2007年(平成19年)中小企業基盤機構経営支援アドバイザーに従事。 |
2019(令和元)年 | 9 | ノーコード・ロコードアプリを活用した業務改善コンサルティング開始 |
2021(令和3)年 | 2 | YouTubeセミナースタート |
2023(令和5)年 | 4 | ノーコード・ロコードアプリを活用した業務改善コンサルティングをバージョンアップ。「スマホ×アプリ×楽しいマッチング×褒め×見える化」コンサルティング実施。 |
2023(令和5)年 | 7 | SNSマーケティングコンサルタント。SNSマーケティングコンサルタント。ゼロからスタート。SNS初任者・新任担当者に向けた情報発信。後にWEBへ拡大。 |
2024(令和6)年 | 2 | 生成AIについて情報発信開始 Googleクチコミ対策、SEO対策、MEO対策、JEO対策、リアルなクチコミ対策の情報発信開始 クリニック・病院に特化した集客/集患=Googleビジネスプロフィール対策=MEO対策コンサルティングスタート。 【医師】を最大のコンテンツと偏見集客/集患=Googleビジネス特典対策=MEO対策を行う。 【取材記事】を「Local Medical Media & Local Media」として優良な取材記事を発信します。 |
資格研修の履歴
西暦/和暦 | 内容 |
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1999年(平成11年) | ISO9000審査員研修コース修了 |
2000年(平成12年) | ISO14001審査員研修コース修了 |
2000年(平成12年) | ISO27001(ISMS)差分審査準備完了コースコース |
2004年(平成16年) | 移行型ISMS審査員コース修了研修(情報セキュリティマネジメントシステム情報セキュリティー分野) |
2006年(平成18年) | ISO/IEC20000審査員コース修了 |
2006年(平成18年) | SAP内部ソリューションコンサルタント |
2010年(平成22年) | 「LCA(ライフサイクルアセスメント)トレーニングコース終了(ライフサイクルアセスメント:カーボンフットプリント関連)」 |
2011年(平成23年) | BS25999導入実践コース終了(BCPに関する規格) |
2012年(平成24年) | FSMS(ISO22000)審査員コース終了(食品安全マネジメントシステム) |
2019年(令和元年) | Cloud University※ スペシャリスト編修了研修 |
2019年(令和元年) | クラウドユニバーシティ ※アプリデザイナー編修了研修※サイボウズクラウドサービスの研修 |
2021年(令和3年) | 70%単独で動画・動画編集をマスターしました。残り30%は後藤先生、鈴木先生、小野先生のご指導です。 |
2024年(令和6年) | WEB、SNS集客・集患に関する知識を発信スタート。 生成AI:ChatGPT、Gemini、Claud3、Genspark、Perplexity、Bing、AISEO、Mapify等に関する情報発信スタート。 |
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